新幹線通勤の罠
いつもご覧いただきありがとうございます。今晩、奇跡の2日連続の投稿です(笑)
前回の記事では非課税収入について触れました。
要約すると「渡し切りの旅費交通費と日当は非課税だから美味しいよ」という話でした。実は他にも条件付きではありますが非課税収入とされているものがあります。自宅から勤務先までの通勤代です。通勤手段が車であればガソリン代、電車であれば定期代として手当を支給している会社がほとんどかと思います。(今どきバイトでさえ通勤代が支給されるのに支給しない会社があるとしたら間違いなくブラック企業です。。)
条件付きとしている理由は非課税となる金額に上限が設けられているからです。その限度額は1ヶ月15万円となっています。実は以前は10万円でしたが、平成28年の税制改正で通勤手当の限度額が10万円から15万円に改められました。1ヶ月15万円というとかなりの金額です。改正の狙いは新幹線通勤を非課税として広く認めて、地方への定住を促進するためと言われています。
新幹線で通勤するとなると、首都圏では手が届かなった庭付き一戸建ての購入が夢では無くなりますし、毎日満員電車に苦しめられるとこなくゆったり席でくつろぐことができます。会社が認めてくれさえすれば、利用しない手がないように見えます。
‥が、ここで残念なお知らせです。新幹線通勤をするとほとんどの場合、社会保険料が激増します。何故そうなるのかというと、社会保険料は原則4月、5月、6月に支給された給与に各種手当を加算した合計の平均である標準報酬月額を元に算出されます。各種手当の中には当然、定期代も含まれており、例えば静岡→東京を新幹線で通勤すると、新幹線3ヶ月定期代は381,530円となり、標準報酬月額を127,176円も上昇させることになります。これは月給20万円の方であれば厚生年金保険料と健康保険料の標準報酬月額を6等級も押し上げることになり、なんと年間で214,344円も追加負担が発生することになります。(健康保険料は協会けんぽ、東京の場合、介護保険料含む)
社会保険料は所得税・住民税と違って控除の概念が無いので、収入が確定した段階で節約するすべがありません。もし、それを知らずに庭付き一戸建てを購入して新幹線で通勤を始めてしまったら‥ホラーですね(泣)
ただ、たいていの場合は総務が事前に新幹線通勤を利用することによって社会保険料が上昇するデメリットをきちんと教えてくれるはずです。親切な会社であればですが‥。
今日はここまで。